はいさい、ぐすーよー、ちゅーうがなびら。沖縄県知事の翁長雄志です。
 シンポジウム「辺野古新基地建設を止めるもう一つの取り組み~県外移設を再確認する」の開催にあたり、御挨拶を申し上げます。
 本日のシンポジウムを主催いただいております、実行委員会及び関係団体の皆様、そして本日お集りの多くの皆様には、基地問題をはじめ、沖縄が抱える様々な分野の諸問題に対して、ご理解とご支援をいただき厚く御礼申しあげます。
 私は、知事に就任してからこの2年間、普天間飛行場の早期返還、辺野古新基地を絶対造らせないという沖縄県民との公約を守り抜くため、政府に対して、沖縄の民意に耳を傾け、基地問題の真の解決に向けて、真摯に、誠実に取り組むよう全力を尽くして訴えてまいりました。
 沖縄の米軍基地については、その機能や効果、負担のあり方など、安全保障全般において国民的議論が十分なされてきたとは言えず、戦後71年が経過した現在もなお、国土の0.6%しかない沖縄県に、全国の米軍専用施設の70.6%が集中しています。
 沖縄県だけに過重な米軍基地負担を強いて、本土全体が無関心であることは残念であり、辺野古新基地建設問題を通して、日本全国の皆様が改めて日米安全保障の負担のあり方について考えるべきであります。
 辺野古新基地建設問題に対する政府のこれまでの強硬な姿勢は、政府が常々述べている法治国家としてのあるべき姿には程遠いものがあります。
 これまでに、県が再三事前協議が整うまで工事を停止するよう求めているにも関わらず、政府はこれに応じず、先日25日には護岸工事に着手しています。
 私は、今後も差し止め訴訟の提起を含むあらゆる手法を適切な時期に行使して、辺野古に新基地を造らせないという県民との約束を実現するため、今後も全力で戦う考えであります。
 結びに、本日のシンポジウムにおいて活発で実り多い議論が行われることをご期待申し上げるとともに、本日お集りの皆様のご健勝とご活躍を祈念して、挨拶といたします。

平成29年4月29日
沖縄県知事 翁長雄志


 平成29年4月29日に開催されたシンポジウム「辺野古新基地建設を止めるもう一つの取り組み~県外移設を再確認する」に寄せられたメッセージ