「新しい提案」に基づき、名護市と沖縄県議会が意見書を採択しました。

 令和元年9月26日意見書採択 名護市議会 (PDFファイル

辺野古新基地建設の即時中止と米軍普天間基地の沖縄県外・国外移転について、国民的 議論により、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきとする意見書

 2019年2月、沖縄県による辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票で、 投票総数の7割が反対の意思を示した。憲法改正の手続きにおける国民投票の場合には、 投票総数の5割以上で国民の民意に基づく承認とみなすことが憲法及び国民投票法で規定されていることに鑑みれば、今回沖縄県民が直接民主主義によって示した民意は明確である。これまで県知事選で重ねて示されてきた民意と合わせ、政府及び日本国民は、公正な民主主義にのっとり、沖縄県民の民意に沿った解決を緊急に行う必要がある。 名護市辺野古において新たな基地の建設工事が強行されていることは、日本国憲法が規 定する民主主義、地方自治、基本的人権の尊重、法の下の平等の各理念からして看過することのできない重大な問題である。
 普天間基地所属の海兵隊について沖縄駐留を正当化する軍事的理由や地政学的理由が根拠薄弱であることは既に指摘されており、「0.6%の国土しかない沖縄に70%以上の米軍 専用施設が集中する」という訴えには、「8割を超える国民が日米安全保障条約を支持しておきながら、沖縄にのみその負担を強いるのは、『差別』ではないか」との問いが含まれている。これは何も面積の格差だけを訴えているのではない。その本質は「自由の格差」の問題である。 政府は、普天間基地の速やかな危険性除去を名目として辺野古への新基地建設を強行しているが、普天間基地の返還は、もとより沖縄県民の長きにわたる一致した願いであり、 日米安保条約に基づいて米軍に対する基地の提供が必要であるとしても、沖縄の米軍基地の過重な負担を軽減するため「国民全体で分かち合うべき」というSACO設置時の基本理念に反する沖縄県内への新たな基地建設を許すべきではなく、工事は直ちに中止すべきである。
 そして、安全保障の議論は日本国全体の問題であり、国家の安全保障にかかわる重要事項だというのであれば、なおのこと、普天間基地の代替施設が必要か否かは、国民全体で議論すべき問題である。
 そして、国民的議論において普天間基地の代替施設が国内に必要だという世論が多数を占めるのなら、民主主義及び憲法の規定に基づき、一地域への一方的な押し付けとならないよう、公正で民主的な手続きにより決定することを求めるものである。
 よって、名護市議会は下記のことを強く要請する。

              記

1 辺野古新基地建設工事を直ちに中止し、米軍普天間基地を運用停止すること。
2 全国の市民が、責任を持って、米軍基地が必要か否か、普天間基地の代替施設が日本国内に必要か否か、当事者意識を持った国民的議論を行うこと。
3 国民的議論において、普天間基地の代替施設が国内に必要だという結論になるのなら、米軍基地が偏在する沖縄の歴史に鑑み、民主主義及び憲法の規定に基づき、一地域への一方的な押し付けとならないよう、公正で民主的な手続きにより解決する こと。

以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。

令和元年9月26 日 沖縄県名護市議会

宛先:内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、内閣官房長官(沖縄基地負担軽減担当)、 国土交通大臣、沖縄及び北方対策大臣、衆議院議長、参議院議長、沖縄防衛局長

 令和2年3月27日意見書採択 沖縄県議会 (PDFファイル

普天間基地の運用停止、辺野古新基地建設工事の中止、在沖米軍基地の 負担軽減について国民的議論を深め、民主主義及び憲法に基づき公正に 解決することを求める意見書

 2019年2月、沖縄県による「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」で、投票総数の7割以上が反対の意思を示した。今回、沖縄県民が直接民主主義によって示した民意は決定的である。政府及び日本国民は、民主主義及び憲法の手続にのっとり、沖縄県民の民意に沿った公正な解決を緊急に行う必要がある。
 普天間基地所属米海兵隊の沖縄駐留の理由は、軍事的理由や地政学的理由ではなく「本土の理解が得られない」という政治的な理由によることは、これまで複数の防衛大臣経験者や現職内閣総理大臣が言及しており、「0.6%の国土に70%以上の米軍専用施設が集中する」という沖縄の現状に対する訴えの本質は、面積の格差のみならず「自由の格差」という基本的人権、法のもとの平等の理念からして看過することのできない重大な問題である。
 今、普天間基地の代替施設として、名護市辺野古において普天間基地の機能を超える新たな基地の建設を強行しているが、名護市辺野古に新基地を建設する国内の法的根拠としては、内閣による閣議決定があるのみである。普天間基地の返還は、もとより沖縄県民の長きにわたる一致した願いであり、工事は直ちに中止すべきである。
 そして、安全保障の議論は日本全体の問題であり、沖縄の米軍基地の負担軽減を国内に求めるか、国外に求めるのかは、国民的議論が必要であり、最終的には国権の最高機関たる国会で国が最終的に責任を負う法整備の仕組みの中で解決すべき問題である。
 その中で普天間基地の代替施設が国内に必要だというのなら、民主主義及び憲法第41条、第92条及び第95条の規定に基づき、一地域への一方的な押しつけとならないよう、公正で民主的な手続により決定することを求めるものである。
 よって、本県議会は下記の事項について強く要請する。

               記

1 普天間基地の12年以上にわたる危険性放置は負担軽減に逆行するため、速やかに運用停止するとともに、国民的議論なきまま閣議決定のみによって強 行されている辺野古新基地建設工事を直ちに中止すること。
2 日本国内に米軍基地が必要か否か、普天間基地の代替施設が日本国内に必要か否か当事者意識を持った国民的議論、そして最終的には国権の最高機関たる国会で沖縄の米軍基地の負担軽減を国が最終的に責任を負う法整備の仕組みの中で解決すること。
3 その中で普天間基地の代替施設が国内に必要だという結論になるのなら、 沖縄の米軍基地の偏在に鑑み、民主主義及び憲法の規定に基づき、一地域への一方的な押しつけとならないよう、公正で民主的な手続により解決すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年3月27日 沖縄県議会

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣外務大臣
国土交通大
臣防衛大臣
内閣官房長官
沖縄及び北方対策担当大臣
宛て