はいさい、ぐすーよー、ちゅうがなびら。みなさん、こんにちは。沖縄県知事の玉城デニーです。緊急シンポジウム「県民投票とその後」の開催にあたり、御挨拶を申し上げます。
本日のシンポジウムを主催いただいております、実行委員会の皆様、そして本日お集まりの多くの皆様には、基地問題をはじめ、沖縄が抱える様々な分野の諸問題に対して、ご理解とご支援をいただき厚く御礼申し上げます。
私は、日米安全保障体制を理解する立場であり、沖縄にある全ての米軍基地の即時撤去を求めているわけではありません。
私は、日米安全保障体制を認める立場でありますが、戦後74年を経た現在もなお、国土面積の約0.6パーセントである本県に約70.3パーセントの米軍基地専用施設が存在する状況は、異常としか言いようがありません。日本の安全保障が大事であるなら、その体制を支える米軍基地負担についても日本全体で議論し、必要とするのであれば、当然ながら負担も全国で担うべきです。
辺野古新基地建設に反対する県民の民意は、これまで一連の選挙において示され続けてきました。
2月24日に行われた県民投票においても、辺野古埋立てに絞った反対の民意が圧倒的多数で明確に示されたことは、極めて重いものであります。
平成8年の基地問題に関する県民投票から23年を経ても、同じ沖縄県で県民投票が2度も実施されなければならなかったのか、構造的差別の存在の有無等を含めて、本質的なことに目を向け考えていただきたいと思います。
しかし、政府は、民意を無視して工事を強行しており、昨年8月に県が行った埋立承認の撤回に対し、国は私人になりすまして行政不服審査制度を用いるなど法律を勝手に解釈し、県に対して強制的に政府の意向を押し通すことが行われております。こうしたことがまかり通れば、地方自治、民主主義は破壊されてしまいます。
このために、県は国土交通大臣が行った採決は違法であるとして、去る7月17日に地方自治法に基づき、違法な国の関与の取消訴訟を提起し、8月7日には行政事件訴訟法に基づく広告訴訟を県議会の議決をいただいて提起しました。
このような中、本土の地方議会においても、新たな動きが広がりつつあり、小金井市議会、小平市議会、岩手県議会などにおいて、辺野古新基地建設問題について国民的議論を行い解決の道を探ることを求める意見書が採択されております。
この問題を理解し、解決を求める動きが本土においても広がりつつあることを心強く感じております。
私は、県民投票によって改めて示された県民の民意を受け止め、民主主義の価値観を共有する国内外の市民と連帯し、あらゆる手法を駆使して辺野古に基地を造らせないこと、また、世界一危険な普天間飛行場の運用停止をはじめ、一日も早い危険性の除去に向けて全身全霊で取り組んでまいります。
シンポジウムにお集まりの皆さまが、民主主義の尊厳や地方自治のあり方などについて、自らの問題として考え、互いの理解を深めるとともに、引き続きその解決のために行動を起こして頂くことを願い、挨拶といたします。
令和元年8月17日
沖縄県知事 玉城デニー
令和元年8月17日に開催された緊急シンポジウム「県民投票とその後〜私たちは何をすべきか、何を求めるべきか〜」に玉城デニー沖縄県知事から寄せられたメッセージ